伝説の秘境駅「旧 神路駅」現役当時の映像と行き方を示した訪問記動画
【鉄道の日 #なつかし駅舎 ⑧】きょうは #鉄道の日 。NHKアーカイブスから、なつかしい駅舎の姿をまとめてお届けします。▼こちらは北海道 #宗谷本線 の神路駅、1977年の様子。クマが通った道ということが駅名の由来とされる、自然の中の駅舎です。▼動画⇒
https://t.co/8cBv0uJkFb— NHKアーカイブス (@nhk_archives) October 14, 2019
2019年10月、NHKアーカイブスのTwitterに「1977年の神路駅(北海道)」というタイトルの動画がアップされました。
神路駅といえば、秘境駅ファンなら知る人ぞ知る、到達がほぼ不可能な陸の孤島の駅。
廃止は1985年(昭和60年)とずいぶん前のことなので、かなり貴重な映像ですね。
個人的には現役当時の様子を見たのはこれが初めてだったので感動もひとしおです。
旧神路駅(神路信号場)とは?
旧神路駅は、宗谷本線の佐久駅と筬島駅の間にあった駅で、廃止直前までは神路信号場(仮乗降場として旅客扱いあり)でした。
Wikipediaの説明によると以下のようにあります。
歴史
1922年(大正11年)11月8日 – 鉄道省の神路駅として開業[1]。一般駅。
1949年(昭和24年)6月1日 – 公共企業体である日本国有鉄道に移管。
1974年(昭和49年)10月1日 – 貨物取扱を廃止し旅客駅となる[2]。
1977年(昭和52年)5月25日 – 神路信号場となる[1]。仮乗降場として旅客扱いを継続[2]。
1985年(昭和60年)3月14日 – 廃止[2]。駅の構造
相対式2面2線を持ち列車同士の交換可能な地上駅であった。現在の本線は当時の2番線に沿っている。
駅名の由来
当駅の所在する地域名(字名)より。地域名は、集落対岸(天塩川左岸)の崖(現在の神居山)がアイヌ語で、「カムイルエサニ(kamuy-ru-e-san-i)」(神の・坂路が・そこから・浜に出る・所)と呼ばれていたものを意訳したものである[3][4]。
周辺
神路地区へは鉄道以外の交通機関がなく、1963年5月20日に国道40号線と同地区を結ぶ吊り橋、神路大橋が完成したが、わずか7ヶ月後の同年12月18日に神路地区周辺の山から発生する冬独特の気象(地方風)が原因で落橋した[5]。現在も橋はなく、天塩川を船などで渡ることも危険であり、事実上到達は不可能である。
このため、1965年までは住民が住んでいたが[6]、全戸撤退し、1973年に国鉄北海道総局が発行した『北海道 駅名の起源』で「駅周辺には人家が一軒もないところ[4]」と紹介される状況にあった。
なお、一般の線路の歩行や構内立入は法令で禁止されており、当駅跡へ線路を歩いて訪れることは、危険かつ違法な行為である。
出典元:神路信号場/Wikipedia
注目すべきは「周辺」情報です。かつては「神路大橋」という橋がかかっていたことがあり、国道から対岸へ渡ることができたそうなのですが、わず7ヶ月で落橋。
その影響もあって神路駅周辺に住んでいた住民はいなくなったとのことです。
信号場廃止後も駅舎が残っていた
神路駅が秘境駅として長い間注目を集めていたのは、駅が廃止された後も駅舎が残っていたせいでしょう。
誰もいない無人地帯にポツンと残る木造駅舎。
秘境駅ファンならずとも惹かれる光景であることは間違いありません。
そしてさらに、陸地続きでありなが到達困難なところも秘境駅ファンを惹きつける所。
さながら同じように陸の孤島の駅であり続けた張碓駅を思わせます。
伝説のWebページ「神路なページ」が動画で蘇る
インターネットの黎明期、まだブログなどでも駅の情報が少なかった頃、神路駅の現況を伝えた伝説のホームーページがありました。
「神路なページ」と名付けられた昔懐かしのホームーページです。
このホームーページはYahoo!の無料ホームページ「ジオシティーズ」で作られていたため、現在は見られなくなっています(ジオシティーズは2019年3月末でサービスを終了)。
そんな知る人ぞ知るホームーページがなんと動画で復活していました。
なんと動画作成者は、神路なページの作成者と実際に会って、了承を得て動画を作ったとのことです。
さらにホームーページでは公開されていなかった駅への行き方や地図も公開されており、具体的な位置関係や歴史も分かります。
現在では駅舎も無くなり、駅へ通じる道も事実上無くなった今では、映像や写真で当時に思いを馳せるしかありません。
それでも一枚一枚の写真から震えるような感動が伝わってきます。
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