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伊勢の臨時駅「池の浦シーサイド駅」2020年3月廃止 駅全貌写真

   

池の浦シーサイド駅・駅名標

JR東海・参宮線の臨時駅「池の浦シーサイド駅」が2020年3月のダイヤ改正で廃止となることが決定しました。

池の浦シーサイド駅は2018年・2019年の営業が行われなかったため、実質の営業は2017年が最後だったということになります。

ホームのすぐ横が海というオーシャンビューの素晴らしい駅でしたが、2020年3月14日で姿を消すことになります。

池の浦シーサイド駅とは?

池の浦シーサイド駅は1989年(平成元年)7月に誕生した臨時駅。池の浦海水浴場利用客のための駅として開業しました。

開業当時、池の浦海水浴場の利用客は4万人ほどいたとのことで、海水浴客や潮干狩り客の利用が多かったとのこと。

しかし年々海水浴客の利用が減少し、臨時駅としての停車日数も減少。

末期の2016年の営業日は、7月30日・7月31日・8月6日・8月7日の4日間のみで、1日あたりの停車は列車2往復のみという寂しいものだったようです。

2018年5月にはその年の営業は行わないと発表。そして2019年末に駅廃止の正式発表がありました。

つまり最後の営業年は2017年ということになります。

臨時駅というのは往々にして、廃止発表がされたときにはもう下車することも出来ない、という状況になることが多いですね。臨時駅の悲しいところです。

 

池の浦シーサイド駅訪問記 駅構内の風景

池の浦シーサイド駅ホーム鳥羽方向

というわけで、池の浦シーサイド駅に下車した時の訪問記として、駅の全貌をご紹介します。

私自身がこの駅に下車したのは2004年8月8日。かれこれ15年も前の話ですが、この当時から既に海水浴客の利用客はほぼいなかったようで、夏季の停車日数も10日ほどしか無かったと記憶しています。

ちなみに私が上下車した時の利用客は私ただ一人のみでした。

下車してまず驚くのは、海の近さです。ホームの脇がすぐ海、というのは鶴見線の海芝浦駅を思わせます。

もっともこちらの景色は入り江の絶景ですが。

 

池の浦シーサイド駅ホーム松下方向

ホーム松下駅方向。駅向かい側には木々が生い茂り、民家は見えません。

 

駅からの眺め

ホームからは緩やかに湾曲した海岸線が続いている様が見えます。

 

海の眺め

ホームのフェンス裏がすぐ海!しかも絶景!入り江のため波も穏やかです。

 

時刻表

時刻表

参宮線・池の浦シーサイド駅時刻表(2004年)。

この当時は11時台から16時台の間に5往復ありました。

5往復でも相当少ないと思っていましたが、末期の2往復に比べたらかなり充実していますね。

 

駅前風景

ホーム階段と駅前

ホームを降りる階段と駅前風景。

階段の下には扉が付いています。駅として使用されない期間は中に入れないよう扉が閉まるのでしょう。

 

駅前風景

ホームを出て最初に見える駅前風景。建物がほとんど無く、実にのどかです。

 

駅全体

ホーム出入口

ホームを降りて振り返ったところ。

「歓迎 ようこそ池の浦シーサイド駅へ JR伊勢市駅」の看板が物悲しく感じられます。

 

池の浦シーサイド駅構内全体

少し引いて見た駅全体。海水浴場らしいビニールの屋根が付いたベンチがありました。

 

出札口跡とベンチ

出札口跡と思われる建物と屋根付きベンチ。

賑わっていた頃は売店等もあったのでしょうか。

 

二見浦観光マップ

二見浦観光マップ

二見浦観光マップと書かれた看板が駅前に立っていました。

池の浦シーサイド駅付近の観光地は、池の浦海水浴場とマコンデ美術館くらい。

ちなみに海水浴場となる「池の浦シーサイドパーク」は徒歩15分ほどかかるそうです。

あと、マコンデ美術館とは、『タンザニアのマコンデ高原に住んでいたマコンデ族の彫刻を集めた美術館』とのこと。

 

駅周辺を散策

海岸線

駅前を海岸伝いに歩いてみました。

 

海岸線行き止まり

するとすぐに立ち入り禁止となり、先に進めませんでした。

海岸に沿って海水浴場には行けないんですねぇ。

 

駅周辺の民家

駅周辺は木々が生い茂っていて迷路のようです。民家が数軒あるようでした。

 

行き止まり

至るところに立ち入り禁止の棒が横たわっており、行く手を遮っています。

 

駅前道路

砂利道を抜けるとアスファルト舗装の道路が見えてきました。

写真正面の道を進むと、「池の浦釣り筏」「旅荘 海の蝶」があるそうです。

 

国道42号線

交差点のすぐ先には橋が架かっており、突き当りには国道42号が走っています。

周辺に民家がとにかく少なく、秘境駅気分を味わえます。

 

海水浴場跡

交差点付近には「池の浦海水浴場」の看板が付いていました。

かつての賑わいも今は昔…といったところでしょうか。

末期は鉄道ファンしか利用客がいなかったという話ですが、鉄道ファンに対する企画やオーシャンビューを活かした乗客の誘致等はできなかったのかな…。などと思いにふけってしまいます。

そんなわけで、思い出の駅・池の浦シーサイド駅でした。

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